『朝の読書』4,000校突破! 〜全小・中・高校の約1割が実践〜
- 朝の読書推進協議会(会長 大塚笑子氏)の調査によれば、『朝の読書』の実践校が7月14日現在で4,003校に達した。学校別の内訳は小学校2,675校、中学校1,096校、高等学校232校で、1997年以降急激に増えている。
- 『朝の読書』は子供たちに生きる力を育んでもらうために、授業が始まる前の10分間、生徒と教師の全員が、自分の読みたい本を自由に読む読書法で、1988年に二人の教師が始めた教育実践である。二人の教師とは、当時、千葉県・船橋学園女子高校(現・東葉高校)に勤務していた林公(はやし ひろし)教諭と同僚の大塚笑子(おおつか えみこ) 教諭である。
- 『朝の読書』の誕生にはこのようないきさつがある。早朝、林教諭は全校の生徒の机を修理している時に「馬鹿野郎、死んでしまえ」と書いてある生徒の落書きをみて、苦悩する生徒を救えるものがないものかと試行錯誤を重ね、辿り着いたのが全校一斉による10分間読書であった。林教諭はこの読書法を職員会議に諮るが反対意見が多く、なかなか実践に踏み切れない。その時、同僚で体育教師の大塚教諭が自分のクラスで実践に入り成功したことが突破口となって船橋学園女子高校で『朝の読書』が誕生した。大塚教諭が『朝の読書』実践の第1号になったのである。
- 『朝の読書』の理念は生徒全員が自由で公平を保証するために、1.みんなでやる、2.毎日やる、3.好きな本でよい、4.ただ読むだけ、を四原則に、本を読むことに評価や競争心を仰ぐような指導は一切排除している。
本来、学校は、「生きるために必要なことを学ぶ、学ばせる」ところであると思うが、テストのための教育になり過ぎ、人間教育がなおざなりにされてきた。その結果、いじめや不登校、学級崩壊、少年犯罪なども増えてきているのが現実である。
- 『朝の読書』によって、普段の授業では学べないものを学び、単に本好きになるだけではなく、言動に落ち着きが出てきた、衝動的な行動をとる生徒がなくなった、他人の気持ちが判るようになった、本を通して生徒同士・生徒と教師のコミュニケーションが深まった、学級崩壊を建て直すことができたなど、驚くべき効果が全国の学校から報告されている。
- 『朝の読書』も最近では社会に広く知れ渡ることになり、国会でもたびたび『朝の読書』の有効性について質疑がされている。しかしこの運動、一朝一夕にして全国に広がったわけではない。自校で成功させたこの読書法を全国の学校に広めるため、林・大塚両教諭は既に13年に及ぶボランティア活動を展開している。『朝の読書』の理念を説き、その方法と効果について全国の学校に手紙を出し続け、また教師や教育者を対象にした研修会「全国縦断朝の読書交流会」は今年で20カ所以上になる。
- 今年、朝の読書実践研究会(代表 林公氏)が主催する交流会は、8月5日(土)広島県立生涯学習センター、8月8日(火)徳島県板野町文化の館さくらホール、8月25日(金)宮崎県立図書館、11月25日(土)兵庫県立嬉野台生涯教育センター、12月9日(土)、茨城県大宮町図書情報館の5会場を予定している。
- (平成12年7月17日 朝の読書推進協議会事務局ニュースリリースより)
【本件に関するお問い合わせ先】
朝の読書推進協議会 事務局 佐川 TEL 03-3266-9587