『朝の読書』5,500校に!
「心の教育」を求めて全国の小・中・高校に広がる
- 朝の読書推進協議会(理事長・大塚笑子東葉高校教諭)の発表によると、『朝の読書』の実践校が、小・中・高校を合わせ5,500校(3月1日現在)になった。
- 『朝の読書』は1988年、千葉県の船橋学園女子高校(現・東葉高校)で林公教諭(現・市川高校勤務)と大塚笑子教諭によって提唱され、その後13年にわたる二人の教師のボランティア活動によって全国の学校に広がっていった。しかし、当時は学校を挙げて読書に取り組むことに様々な意見も多く、’96年頃までの実践校は100校余りに過ぎなかった。『朝の読書』が全国的に注目され出したのは ’97年以降になるが、その背景には、いじめや殺人など少年犯罪が急増し、学校内でも授業が成り立たない学級崩壊など学校経営そのものが窮地に追い込まれている事情も反映したようだ。実際に「学級崩壊を『朝の読書』の導入でたてなおした」という学校の報告や、最近では教育行政の重点施策として町を挙げて『朝の読書』に取り組むなど、「読書」が子どもの教育と豊かな社会づくりに必要不可欠であるということが社会全体に認識されてきているようである。
- 5,500校の内訳は小学校3,686校/中学校1,477校/高校337校で、全国の学校数の約14%が『朝の読書』を導入し、約200万人の児童・生徒が毎朝10分間、学校で本に向き合っていることになる。朝の読書推進協議会では「本ってこんなに面白いものだとは思わなかった、本を読むことで心が安らぎ他人の気持ちがわかるようになった、といった子どもたちの声が多く、本と出合う、本を読む環境さえつくれば子どもたちは喜んで本を手にする。また本を読むことで子どもたちと教師、家族と新たなコミュニケーションも生まれる。これまでの学校教育にはなかった変化が『朝の読書』の実践で表れている」と話す。出版業界でも様々な読書推進運動が展開されてきているが、「『朝の読書』で読む本は、書店で購入するケースが一番多い」というデータもあり出版界の活性化にもつながっている。
- (平成13年3月3日)
【本件に関するお問い合わせ先】
朝の読書推進協議会 事務局 佐川 TEL 03-3266-9587