物がきれいに並んでいるというのは気持ちの良いものです。不思議と赤ちゃんにもその感覚は備わっているのか、並べるという行為は最も身近な遊びなんだと気付かされる場面が時々あります。
今作のテーマは「並べる」楽しさです。読者は画面に散らばった「まる」や「さんかく」の単純なオブジェクトに「ならんで、ならんで」と声をかけます。例えば最初のシーンでは「まっすぐに」と条件が。ここで親子はページをめくる前に「まっすぐ」並ぶってどんなだろう? とイメージします。そしてページをめくると見開きに「まっすぐ、まっすぐ」オブジェクトが並んでいます。ああ、これが「まっすぐ」だね、と理解できる。この繰り返しによって赤ちゃんは自分ごととして並べる遊びを体験しながらイメージを膨らますことができます。「まんまる」や「じぐざぐ」はどうかな? 自然と親子のコミュニケーションが生まれる絵本です。