筆者が鉄道出版社勤務からフリーカメラマンに転身したのは1979年初頭のことだった。前年の1978年、国鉄は経営活性化の旗頭として特急列車のヘッドマークを「絵入り」に変更したため、全国規模の国鉄特急列車ブームが到来した。巷にはオーソドックスな鉄道写真集から幼児向け写真絵本に至るまでの出版物が氾濫し、国鉄特急の写真需要が増大していた。筆者もその恩恵に浴することになり、国鉄が民営化される1987年までの8年間は、全国に四通八達する国鉄列車を始めとする鉄道の撮影に邁進した時代だった。
かねてから、当時のアーカイブスを写真集にする企画を模索してきたが、既刊の「1970年代~80年代の鉄道 国鉄列車の記録 東日本編」に引き続き、第二弾として本書を上梓することとなった。膨大な作品群を撮影地域に区分して、私鉄列車 関東甲信越編、国鉄列車 中部編 関西編などの順で続刊する予定だ。
この時代の主力感光材料がプロから絶対的な信頼を得ていた高解像度で退色に強い「コダック・コダクローム64(KR)」だったことも功を奏し、40余年の時空を超えて鮮明なカラー作品として再現することができた。
【目次】
函館本線・・・5 岩内線・・・28 松前線・・・38 瀬棚線・・・42 室蘭本線・・・46 千歳線・・・56 石勝線・・・66 万字線・・・76 根室本線・・・84 富良野線・・・98 白糠線・・・102 石北本線・・・110 相生線・・・118 美幸線・・・128 渚滑線・・・138 宗谷本線・・・148 天北線・・・150 興浜南線・・・154 興浜北線・・・164
定価2,970円(本体2,700円+税10%)
2024年10月25日発売
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